こんにちは!Onogamesです。今回の記事は初のメンバー外からの投稿です。投稿者はShanin Paisalachpongさんです。今回も簡単に紹介させていただきます。
Shanin Paisalachpong(通称シャニンさん)
※中央がシャニンさん
メンバーの一人が仕事でタイ王国(以下、タイ)へ行った際に親交を深め、本記事を投稿していただく事となりました。シャニンさんはタイのMTGコミュニティや東南アジア地域のジャッジコミュニティをまとめられているている方です。タイのMTGシーンをより良く、より大きくしたいと熱意を持って活動されています。今回は非常に興味深い記事を投稿していただけました。
それではシャニンさんの記事をお楽しみください!
◇挨拶
Hi, Japanese wizards!! Thanks so much for giving me a chance to write an article here!! I love Japan so much, and I have visited Japan like……. 60+ times. So much that I already lost count, hahaha. This means to me a lot when I hear that I can contribute something to Japan, especially when it comes to my favorite hobby: MTG. Today I want to talk with you about general view of MTG community in Thailand. I really hope that this content is, in some way, entertaining and interesting to all of you. Not to take up too much time, let’s start!
※テンポの良い文章だったため翻訳しませんでした。簡単な単語で構成されていますので、英語はちょっとという方も是非読んでみてください。要約すると「こんにちは。日本大好きおじさんです!今回はタイのMTGコミュニティについて紹介します。記事を楽しんでくだされば幸いです」といった内容です。
◇自己紹介
〇 名前:Shanin Paisalachpong
〇 年齢:32歳、もうすぐ33歳になる
〇仕事や活動:
・バンコクのTCGショップ「Hobby Bugong」オーナー
・MTGレベル1ジャッジ(今年度中にレベル2に挑戦予定)
・タイのマジックジャッジのFBページコンテンツ制作
・東南アジア地域のジャッジのブログコンテンツ制作
・ 2016年、2017年のRPTQの主催
・ 2017年、2018年のマジックコミュニティカップ(バンコクの草の根大会)の主催
・タイナショナルズ2018のトーナメント主催予定
〇 最大の人生の課題:私の日常生活と私の趣味の生活とのバランスを取る事
◇タイのMTGコミュニティ事情
ここタイでは欧米諸国や日本にあるような正式なチームやコミュニティは存在していません。
しかし!まさに今!タイのMTGコミュニティが完成を迎えようとしています。
それはHobby Bugong、MagicDojo、TheTrickerという3つのカードショップに集うプレイヤー間の交流から始まりました。このグループのプレイヤー達はタイのMTGコミュニティの基盤であると強く信じています。私達カードショップはそんな彼らのためにカジュアルに親しみやすい環境作りに努めました。
2017年4月、上記の3店舗が集まり大きな草の根トーナメント-マジックコミュニティカップの開催に至ります。マジックコミュニティカップは大きな成功を収め、60人以上ものプレイヤーがトーナメントに参加しました。このイベントではプレイヤー同士の強い結びつきが形成され、タイで初めての大きなコミュニティが誕生しました。
2018年4月、前年より大きなアップグレードが行われ、第2回マジックコミュニティカップが開催されました。協賛するカードショップは6店舗に増え、参加者もほぼ100人と大幅増です。会場もより広い所へ移動!また、新たな試みとして新しいジャッジを養成するためのジャッジプログラムを組み込みました。このイベントの経験は、今年開催予定のナショナルズ 2018に向けてのウォームアップとして大いに役立っています。
◇タイのMTG事情
MTG人口
人口を正確に確認するための詳細な情報が手元に少ない為、推測でのお話しとなってしまう事をお許しください。最善はつくします!
今年のナショナルズには270人程度の参加権利を持ったプレイヤーがいます。したがって600人程度のアクティブプレイヤーがタイに居るのではないかと推測します。これはPWPサイトの情報や経験則から出した数字です。
タイのアクティブプレイヤーの内1/3のプレイヤーが競技レベルや準競技レベルでプレイしています。残りはすべてカジュアルプレイヤーです。
カジュアルプレイヤーの多いタイにおいて、今年のナショナルズのプロモーションは、あらゆるタイプのプレイヤーをケアできるために非常に魅力的なのです。
人口の推移
MTGのプレイヤー人口についての議論は参入障壁が高いから増えにくいと簡単に片づけられがちですが、実際にはもっと複雑な事情が絡み合っています。
タイの若いカードゲームプレイヤーは深く細かいゲーム性よりも派手で明快なゲーム性を好みます。深く細かいMTGのゲーム性は新規プレイヤーの獲得には不向きな一方で、一度足を踏み入れたプレイヤーがMTGから離れられなくなる魅力でもあるともいえます。タイのMTGプレイヤー人口の推移はこの要因がもっとも大きく影響していると考えています。
言うほど新規プレイヤーが少ないわけではありませんけどね(笑)
一時的、永久的にMTGから離れているプレイヤーを加味すればここ数年タイのMTG人口はほぼ同じであると感じています。
プレイヤー引退小話
タイにMTGショップを開設するのは難しい事業です。私たちは他のカードゲームと競合するだけでは無く、他のエンターテインメント事業と競合しています。私は3年半以上店を経営していましたが、モバイルゲームやPCゲームのようなさまざまな趣味の広がりにより顧客を失っています。
悲しいことに、我々は常にある対戦相手と顧客を取り合っています。それはプレイヤーの恋人です。私のショップのプレイヤーの多くは、恋人を作りMTGを辞めていきました。彼らはいつもMTGと恋人との時間を両立させるための十分な時間(またはお金)がないと言っては辞めていくのです。
これはMTGに限った事ではありませんが、生活する上で趣味は非常に大切なものです。恋人との関係は大切ですが、そのために今まで自分を支えてくれた趣味をあきらめるのは非常に悲しく危険な事です。私はそんな彼らに同じことを伝えます。
「若者へ。あなたがその結論を出すのに十分な努力をしましたか?あなたの周りにはその問題と向き合い、解決し、自己管理をしている友人が沢山います。彼らにできでなぜあなたにできないのですか?」
この私の言葉が彼らに響いたことは一度も無いですけどね(笑)
結局彼らはさまざまな趣味をあきらめてしまいます。
あらがえぬ最強の敵と対面している私達にも常に小さな希望の光があります。彼らは高確率で破局し、ショップに戻ってくるのです(笑)私は彼らの関係が続く事を祈るべきかどうか、いまだに答えを見いだせていません(爆笑)
先ほどの言葉は、顧客を失いたくないために言っているのではありません。諦めたくない趣味を諦めてまで、つまりは無理をして関係を続ける事はあまり良い結果を生みません。そういった老婆心からくるアドバイスなのですがうまく伝えるのは難しいです。幸い、MTGは沢山のフォーマットを持ち自分のプレイスタイルを環境によって選択できる柔軟性を持ち合わせています。彼らは失敗から学び、自分のプレイスタイルを確立するのです。
タイならでは!?
タイで起きている1つのユニークな事象は、バンコクに数多くのショップが集中している事です。 (バンコクはタイ国内の他のどの都市よりもはるかに繁栄しているので、これはMTGに限ったものではありません) バンコク内に公式WPNショップが18店舗あるのに対して、バンコク以外の都市を全部足しても11店舗しかありません。おそらくバンコクのみで競技レベルをプレイする事は、他の国よりもずっと簡単です。PPTQに参加するために都市間を移動する必要がある米国のような他の国とは異なり、バンコクのみで複数回のPPTQに参加できます。
※東京を知っている私達からするとどこがユニーク?と感じますが、東京やバンコクが特異であり非常に珍しいそうです。東京とバンコクは歴史的な成り立ちや立地、現在の役割など似ている点が多いと感じます。
◇タイのプレイヤーのプレイスタイル
ここタイでもMTGのプレイスタイルは多岐にわたります。私のショップにもスーパーカジュアルプレイヤーから競技レベルプレイヤーまであらゆるタイプのプレイヤーが集まります。
競技MTG
実際にプロシーンを目指しているプレイヤーの数はまだまだ少なく感じます。PPTQに集まるメンバーの内30~40人はここしばらく同じ顔です。やる気のある新規競技レベルプレイヤーをたまに見かけますが、常連メンバーになるかと言うとそうでもありません。
EDH/Commander
おそらくトーナメント開催数はスタンダードとブースタードラフトが最も多いかと思われますが、EDH/Commanderはそれらとは別に最も人気があるフォーマットです。スタンダードのローテーションシステムに追いつくための時間を作るのが難しい(少し年齢の高い)プレイヤーのグループにプレイされています。
また、独自のEDHカルチャーやルールが各グループ毎に隠されています。あなたがとあるショップに行ったとしましょう、そこでは青の呪文だけを唱えるプレイヤーが4人集まりカウンターを打ち合っている様子を見ることが出来ます。別のショップでは、全体除去に特化したゲームが見られるかもしれません。全員がカウンターや全体除去を打ち尽くし、重く強い呪文がゲームを終わらせるまで3〜4時間かかることもあります(笑)
その他
タイの競争シーンのほとんどはスタンダードですが、モダンをプレイするプレイヤーもほんの少しだけ見られます。彼らの多く(おそらく全員)は昔から継続してMTGをプレイし古いカードを持っているプレイヤーです。昨年、モダンがPPTQのフォーマットに採用されました。これまで長くモダンというフォーマットは存在していましたが、この事件はタイのモダン愛好家たちに火をつけ、彼らの愛は爆発しました(笑)今日タイでモダンはマイナーなフォーマットではありません。タイのモダンシーンは、日本やアメリカのレガシーシーンに似ているのではないでしょうか?
モダン以外では、Brawlが最近タイのMTGシーンに追加されました。モダンとは違い、カジュアルなキラー・フォーマットとしてすんなり受け入れられました。Brawlには非常に期待しています(笑)
◇タイMTGシーンにおける問題
私たちがここタイで抱えている問題は、砂糖の様に甘くはありません。MTG、そして他のすべてのTCGは、ここタイでは非常に高価な趣味です。すでに日本で高価だと思っている人は、もう一度考えてみてください。日本の最低賃金は1時間当たり900円前後ですが、ここタイでは1日当たり900円前後で、日本の1時間当たりの賃金と同じです。 あなたが1日8時間仕事をしたなら、MTGパックやBOXを買うことが出来ますが、ここタイではほぼ3パックしか買えません。この事実は、TCGへの新規加入において非常に高い障壁となります。
また、TCGが持つ一面がタイでは大きな問題となっています。それはプレイヤー間のトレードにおいて発生します。日本、アメリカ、EU等世界中でプレイヤー間のトレードは行われていると思います。しかし、その大半はカードとカードのトレードではないでしょうか?タイではこのトレードでお金を稼ごうとするプレイヤーがいるのです。先ほど述べさせていた通り、ここタイでTCGは非常に高価な趣味ですので、このような事が起きてしまう事は理解できます。
しかし、プレイヤーがカードを売る際に、電気代や家賃はかかりませんし、在庫について悩むこともありません。したがって、ショップの相場より安く売り買い出来てしまいます。
その結果、ショップのシングルカード売り上げは低迷します。
私の意見では、このような問題を避ける最良の方法は、ショップを単なる店舗以上の存在にすることです。私たちの店主は、彼らが大家族の一員であると感じるように、親密なコミュニティを構築しなければなりません。プレイヤーが楽しい時間を過ごせるイベント作りはもはや基本要件すぎません。この場所が第2の家であるようにプレイヤーが感じるようなコミュニティを作ることは、タイでTCGビジネスを実行する上で非常に重要な事なのです。
◇終わりに
私の記事を楽しんでいただけたでしょうか?
この記事について何かございましたら私のアカウントまでご連絡ください。どんな些細な事でも構いません。
ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。楽しんでいただけたなら幸いです。
実はすでに次回の記事の依頼もいただいており、この記事が公開される頃に必死に執筆しているのではないでしょうか?次回は「タイの競技プレイヤーチーム」と「タイのジャッジコミュニティ」について紹介したいと考えております。
またすぐにお会いしましょう!
Shanin Paisalachpong
シャニンさんの連絡先
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