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ALL WILL BE ONO.

翻訳記事!?Liam Friesの「液状ミッドレンジ――生成されゆくユニークな青白デッキ」

こんにちは、Onogamesです。今回はチームメンバーの齋藤さんのデッキが海外のファンサイトへ取り上げられておりましたので翻訳記事としてあげさせていただきました。

翻訳は、我らがMoroii君が行ってくださいました。

いつもありがとう!

 彼のブログ

yumetorae.hatenablog.com

 

 

本文はLiam Friesさんの投稿です。この方とは直接やり取りさせていただいたことはありませんが、文章的にこぎれいな金髪のあんちゃんだと思っています。

それでは、Liamさんの記事をお楽しみください!

 

液状ミッドレンジ――生成されゆくユニークな青白デッキ

20181028

Liam Fries

https://www.cardknocklife.com/an-aqueous-archetype-blue-whites-dissenting-identity-takes-form/

 

 

さあさあ紳士淑女の皆さま、今日は是非ともお聞きかせしたい昔話がある。今私の心を掴んで離さない「あるデッキ」の紹介も、後程いたしましょう。ますます多くの方がこのデッキの虜となるように・・・。

 

あれは5年前の話。放課後の狭い理科室でマジックを遊び始めた私に、まず教えられたのは「各色の特性」であった。

「いいか?どの2色の組み合わせも、その組み合わせが得意とする戦術を持っている。」クラブの顧問、赤ひげのウェブスター先生はこう語った。「もし君が兵士の軍団で戦場を埋め尽くしたいなら、赤白はうってつけの組み合わせだ。死者の大群を蘇らせたいのなら、黒緑をおすすめしよう。そして・・・青白という組み合わせは、戦場を思うままに操り、妨害呪文を駆使するのに最も適している。」

こうした各色の戦術を理解し、自分のデッキに応用しはじめた頃に、当時の新セット「テーロス」が発売された。テーロスは私が学んだ各色の特性に、全く新しい風を吹き込んだ。中でも驚かされたのは、初めて目の当たりにした「青白英雄的」デッキの立ち回りであった。「青白英雄的」は、私が持っていた先入観を完全に粉砕したのだ。青と白の2色デッキが、赤緑の2色デッキを真っ向から攻め立てていた!

 

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《戦識の重装歩兵/Battlewise Hoplite(THS)とその仲間たちが《タッサの試練/Ordeal of Thassa(THS)》や《液態化/Aqueous Form(THS)》、さらに信じ難いことに《見えざる糸/Hidden Strings(DGM)をまとい、対戦相手をボコボコに殴り飛ばしていた。その光景を見るや否や私の体に電流が走り、このデッキこそ私が極めるべきデッキだと確信した

マジックを始めた人が初めて組んだデッキを愛するように、私は青白英雄的を愛して止まなかった。水のように姿形を変える攻め手と、その攻め手を守る妨害呪文は、使っていて気持ちが良いものだった。また、コンバットトリックを効果的に使う、シナジーを駆使して優位を築く、効率的にダメージクロックを刻む・・・こういった青白英雄的の立ち回りは、私に多くの学びをもたらしてくれた。青白英雄的のようなプレイスタイルのデッキが好きだと気付くこともできた。

 

それから5年の歳月が経った今日、物事は当時から大きく様変わりしたが、変わらないものも確かにある。

今私はモダンを中心にプレイしており、そこで特筆すべき発見をした。見よ!未踏の大海、モダンのメタゲームにおいて、長く忘れ去られていたデッキがひとつ。数は多くなくとも一途なプレイヤー達に支えられ、したたかに研ぎ澄まされてきたデッキが、いよいよ眠りから覚めようとしている。そのデッキは「青白ミッドレンジ」――モダンの長い歴史の中で、しばしば誤解を受けてきたユニークなデッキである。

モダンのメタゲームに対して「殺伐としている」「あまり変動がない」というイメージを持っているプレイヤーは多い。そういったプレイヤーは、モダンのメタは3種のアーキタイプで構成されていると考えている――「ハイパーアグレッシブなアグロ」「即死コンボ」「徹底的コントロール」の3種だ。この3種にくくられないアーキタイプ、例えば青白ミッドレンジを使う意味とはなんだろうか?それを理解してもらうべく、ブルース・リーの有名な台詞を引用しよう。

 

一つの流派に拘ってはならない。それを応用し、我流の型を作り出し、そして練り上げるのだ。水の如くあれ。心を空にし、水のようにやわらかく、無形であれ。水は茶碗に注げば茶碗に収まり、酒瓶に注げば酒瓶に収まり、茶瓶に注げば茶瓶に収まる。

 

青白ミッドレンジもその本質は水である。このデッキは水のような安定性と柔軟性を持ち合わせており、各マッチアップの立ち回りを正しく見極められれば、その恩恵は非常に大きい。直面している状況を念入りに分析できれば、それに見合った判断をその都度下せるのだ。

何と科学反応するかによって、酸としても塩基としても働くという水の特性は科学の常識だ。まさしくこの特性のように、良いプレイヤーはいつ攻めるべきで、いつ守るべきかを知っている。あなたがこの立ち回りの駆け引きを学びたいのなら、青白ミッドレンジほど適したデッキは無いだろう。

青白ミッドレンジを使っている限り、全く同じ展開のゲームを繰り返すことはありえない。こうした絶え間ない思考・判断を楽しめる人は、ぜひこのデッキを手に取ってみてほしい。

 

まずは、基本とも呼ぶべき青白ミッドレンジのリストを3つ紹介しよう。

構成は概ね同じである。カード選択や枚数が一致している部分は3名共通の認識であると言ってもいいだろう。

一方で微妙に異なる細部は、メタごとにどのようなチューニングができるかを理解する助けとなる。

Takaya Saito(Currybore)Francesco Neo Amati(Neo7hinker)、私(BrainCrane)3名のデッキだ。

 

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青白ミッドレンジの過去

 

デッキの骨格を知り、現在のデッキリストを深く理解するためには、過去に採用されていたカードとそれが使われなくなった理由を知っておくべきだ。

 

《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)

もともとBennyhillzによって考案されたカード選択であるが、直近の採用率は低い。

《広がりゆく海》を筆頭としたマナ攻撃系のカードは、現在のtier 1(人間、バーン、親和、KCI、青白コンなど)に対してあまり有効でないからだ。

 

《血清の幻視/Serum Visions(5DN)

必ずしも悪いカードではないのだが、青白ミッドレンジにおける《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》採用率の高まりを受け、インスタントである《選択/Opt(DOM)》が優先されることが多くなった。

私としては、コンボが無い受動的なデッキにおいては、1枚多く占術できるソーサリーよりも、いつでも唱えられるインスタントの方が好みである。《瞬唱の魔道士》3枚のリストであればなおさらだ。《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》で《瞬唱の魔道士》をブリンクして《選択》を唱える動きはまこと美しい。

もし《瞬唱の魔道士》が2枚だけなら、《選択》ではなく《血清の幻視》に軍配が上がるかもしれない。

 

プレインズウォーカー

私の見解では、先程の3名のデッキリストの最たる違いはプレインズウォーカーにある。

青白ミッドレンジにプレインズウォーカーを採用する動きは、(他の多くのユニークなカード選択と同様)Curryvoreによって始まった。今日《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》や《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》を採用するバリエーションはポピュラーなものとなっているが、プレインズウォーカーは《修復の天使》とシナジーしないソーサリースピードの大振りアクションであり、青白ミッドレンジでは最大限有効活用できないと私は考えている。採用される場合も、プレインズウォーカーは青白奇跡におけるような中心的な働きはせず、あくまで副次的なカードとして見なされる。

 

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そうは言うものの、カード単位で言えば青白ミッドレンジとJtMSの相性の良さは疑いようがない。《前兆の壁/Wall of Omens(ROE)》や《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》で《精神を刻む者、ジェイス》を守ることができるし、全ての能力が腐らないからだ。《送還/Unsummon(M13)》能力でさえ、クリーチャーのcip能力を使いまわしたり、自分で全体除去を使う前にクリーチャーを手札に戻すというように機能する。消術能力は青白ミッドレンジのようなフェアデッキが使うと特に強い。コントロールを確立した後、攻めに転じる切り替えしをスムーズにしてくれる。

 

テフェリーは《広がりゆく海》バージョンでは可もなく不もなくといったカードであったが、《瞬唱の魔道士》や《選択》、各種打消しといったインスタントスピードでの行動が増えている現在のリストでは有力な採用候補である。《前兆の壁》や《台所の嫌がらせ屋》を出すために寝かした土地を+1でアンタップできるので、打消しや《修復の天使》《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(A25)》をさらに器用に使うことができる。《ドミナリアの英雄、テフェリー》は「カードアドバンテージ」「除去」「追加の勝ち筋」をひとまとめにしたカードであり、マナカーブのトップを飾るにふさわしい。アグロデッキとマッチングした時は、サイドアウトして《悪斬の天使/Baneslayer Angel(M11)》や《激変の機械巨人/Cataclysmic Gearhulk(KLD)》と交換しよう。マナカーブを崩すことなく、まとまりのある75枚に仕上げられる。

 

デッキ構築中、あるいはゲーム中のプランニングにおいて、青白ミッドレンジは青白コントロールと異なるデッキだという認識は持っておこう。

青白ミッドレンジは兄弟分である青白コントロールの劣化ではないし、何もしないで負けていく所謂マグロデッキでもない。攻めと守りのバランスはデッキ構築中もプレイ中も常に意識すべき重要課題だ。

 

 

デッキの根幹と新しいオプション

 

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4 《修復の天使/Restoration Angel(AVR)

私は長いこと《修復の天使》の採用枚数を3枚に抑えていたが、青白ミッドレンジを使い続けるうちに、このデッキを《修復の天使》デッキと呼び変えていいとさえ思うようになった。《修復の天使》はこのデッキの生命線だ。我々のクリーチャーはいずれも単体で強いクリーチャーだが、《修復の天使》の能力が合わされば素晴らしいクリーチャーとなる。《修復の天使》は無限の可能性を秘めている。彼女を使いこなせずして青白ミッドレンジをマスターすることはまず不可能だ。

 

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《前兆の壁/Wall of Omens(ROE) & 《選択/Opt(DOM)

これらのカードは、相手の猛攻を耐えつつ機を見て反撃に出るためのアキレス腱ともいうべき存在だ。カードアドバンテージを失うことなく盤面に影響を及ぼし、戦況に対する回答やフィニッシャーに辿り着くためにデッキを掘り下げてくれる。《前兆の壁》と《選択》が合わせて78枚もあれば、キャントリップ効果によりデッキの柔軟性は十分だ。我々のデッキには対面する相手によって強さが変わるカードが何枚も入っている。そのゲームそのゲームで必要なカードを引いてくるために、これらのカードは必須と言える。

 

《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM) & 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)

青白ミッドレンジの相反する性質を体現するベスト・クリーチャー達である。

《台所の嫌がらせ屋》はミッドレンジやまっすぐなアグロデッキと対戦する際のヒーローだ。盤面を効果的に固め、かつ除去し辛く、おまけにライフまでついてくる。《修復の天使》とのコンボはまさに宇宙。

一方《ヴェンディリオン三人衆》はコンボデッキやコントロールデッキに対してよく機能する。青白カラー唯一の手札破壊として、アンフェアデッキに対する勝率を改善してくれている。

《台所の嫌がらせ屋》と《ヴェンディリオン三人衆》が同時にどちらも強いマッチアップはそうそうないが、どちらも然るべきマッチアップではいぶし銀の働きをする。

 

《至高の評決/Supreme Verdict(RTR)》《残骸の漂着/Settle the Wreckage(XLN)》《神の怒り/Wrath of God(EMA)

彼らを家に置き忘れてはならん!全体除去はすべてのクリーチャーデッキに対して必要なリセットボタンだ。

《思考の評決》と《残骸の漂着》で枚数を散らせば、より多種多様な盤面に対応しやすくなる。《翻弄する魔道士/Meddling Mage(ARB)》に耐性がつくおまけつき。75枚のうちに3枚は採用したい。

 

《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)

古今東西ほぼ全ての青いデッキに採用されている《瞬唱の魔道士》だが、青白ミッドレンジに採用され始めたのはごく最近のことである。

というのも、海とPWが多く採用されていた以前のバージョンでは、《瞬唱の魔道士》で使いまわせる呪文の枚数が少なく、多くの場合《待ち伏せのバイパー/Ambush Viper(ISD)》でしかなかったからだ。

自然な形でインスタント・ソーサリーを1314枚以上採用できる現在のバージョンでは、《瞬唱の魔道士》はとても良い選択肢だ。上のデッキリストはいずれも3枚採用しており、インスタント・ソーサリーカウントは最低でも17となっている。

《謎めいた命令/Cryptic Command(MMA)》をフォグモードで何度も唱えている時の《瞬唱の魔道士》は最高に輝いているだろう。

 

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《激変の機械巨人/Cataclysmic Gearhulk(KLD)

Curryvoreの最新5-0リストに採用されている新顔で、私とFrancescoは全くもって見落としていたクリーチャーだ。

盤面の取り合いにおいて、《機械巨人》は多くの芸当をやってのける。まず何よりも、このクリーチャーは人間デッキ・スピリットデッキにとって悪夢でしかない。

《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben(A25)》と《ガドック・ティー/Gaddock Teeg(LRW)》に縛られず、《帆凧の掠め盗り/Kitesail Freebooter(XLN)》されることもなく、《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》で手札に戻ってきたらそれこそゲーム終了だ。狂人でもなければ《翻弄する魔道士》で突然《機械巨人》を指定されることもない

スピリットに対しては、《霊廟の放浪者/Mausoleum Wanderer(EMN)》《呪文捕らえ/Spell Queller(EMN)》、さらに《無私の霊魂/Selfless Spirit(EMN)》まで《機械巨人》の前には無意味である。

攻守の切り返しを一瞬でこなしてしまう点も良い。通常の全体除去であれば続けざまにフィニッシャーを展開しなければならないが、《機械巨人》は全体除去に4/5警戒のボディが付いている。

さらに《修復の天使》で対象に取れるため、盤面を立て直した相手の息の音を止めることさえ容易い。《機械巨人》は絶対サイドにいれておこう。

 

《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir(TSP) & 《魂の洞窟/Cavern of Souls(AVR)

瞬速クリーチャーとそれらを守るカウンターにより、概して青白ミッドレンジはコントロールデッキに対して相性がいい。しかし、青白奇跡との相性はあまり良くはない。《ザルファーの魔道士、テフェリー》は相手の奇跡呪文を止めつつ、《祖先の幻視/Ancestral Vision(TSP)》と打消し呪文まで機能不全に落ちらせてしまう!我々のゲームプランを補完しつつゲームを有利に進める良いサイドカードだ。また、《ザルファーの魔道士、テフェリー》はコンボデッキ相手にもサイドインできる。

青いデッキに対してさらなる追い打ちをかけるために、Curryvoreは《魂の洞窟》を1枚採用している。コントロールデッキや青赤ウィザードに対して「天使」や「ウィザード」と宣言すれば、彼らの被害は甚大だ。

 

デッキのキーカードをさっと見終わったところで、今度はtier上位デッキとの相性を見ていこう

成長留まらぬ、モダン・メタゲームの荒海へ・・・。

 

 

マッチアップ

 

人間

このフォーマットの悪いやつの一人だ。今のモダンにおいては、「デッキか紙束か」を判別するリトマス試験紙と言ってもいい

対人間は全体除去をめぐる戦いになる。これまではサイド前もサイド後も全体除去を唱えられるかどうかは五分五分といったところであったが、《激変の機械巨人/Cataclysmic Gearhulk(KLD)》の発見により、サイド後は有利を実感している。《糾弾/Condemn(M11)》や《失脚/Oust(ROE)》のような追加の単体除去は、このマッチアップをさらに簡単にしてくれる。

 

B - 微有利

 

バーン/ラナウェイ・レッド

青白ミッドレンジはこれらのデッキに負けないよう組まれているし、負けちゃいけない。《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》と《前兆の壁/Wall of Omens(ROE)》が非常に良い働きをする。

サイド後は《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》が《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer(DOM)》の能力で4/5絆魂になることを覚えておこう。

ライフを得る手段には事欠かさない。小さいクリーチャーを適当にあしらって、顔面を思い切り殴り飛ばしてやろう。

 

A - 有利

 

トロン

《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)》が採用されなくなってからは少し事情が変わってしまった。《広がりゆく海》と4枚の《廃墟の地/Field of Ruin(XLN)》があったころは6-4で有利くらいの感覚だったが、

全ての選択には機会費用がある――アグロデッキ対策にデッキを寄せれば、トロン対策はどうしても手薄になってしまう。

現在のバージョンでは、対トロンの勝敗の行方は初手の良し悪しにかかっているように感じている。

トロンの存在感が強いメタでは、《儀礼的拒否/Ceremonious Rejection(KLD)》《石のような静寂/Stony Silence(ISD)》《幽霊街/Ghost Quarter(ISD)》《世界のるつぼ/Crucible of Worlds(M19)》そして《外科的摘出/Surgical Extraction(NPH)》あたりを検討しよう。

 

C - 互角

 

ホロウワン

不確定要素が強い相手であり、明確な回答はし辛い。4ターン目になっても大して攻め込まれず圧勝する時もある。1ターン目に2体並ぶ《虚ろな者/Hollow One(HOU)》を見て、フェアデッキを諦めかける時もある。

メイン戦は五分で、サイド後は有利くらいの感覚だ。我々の追放除去はしつこく復活するクリーチャーに対して有効で、サイド後は《安らかなる眠り/Rest in Peace(A25)》と全体除去でゲームが終わる。

 

B - 若干有利

 

《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks(5DN)》コンボ(KCI

KCIはトーナメントマジックの敵であり、我々にとっても恐怖の敵である。

メイン戦は想像しうる限り最悪の相性差のように感じる。サイド後は《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》と多数カウンターによって、20分に及ぶソリティアを押さえつけることもできなくはない・・・が、依然として苦しい戦いとなる。《外科的摘出》と《安らかなる眠り》もまた効果的である。

完全な死に札だった《広がりゆく海》がデッキから抜けたことで若干の相性改善はあるが、依然として微不利からは脱していない。現在のリストは《石のような静寂》を採用していないが、12枚は常に採用を検討しておくべきだ。アタッカーを守るために《払拭/Dispel(RTR)》も忘れずにサイドインしよう。

 

D - 微不利

 

ドレッジ

墓地からよみがえるクリーチャーには《流刑への道/Path to Exile(CON)》《拘留の宝球/Detention Sphere(RTR)》《残骸の漂着/Settle the Wreckage(XLN)》を。他のコントロールデッキとは違って、青白ミッドレンジは《前兆の壁》と《台所の嫌がらせ屋》でクリーチャーを抑えることもできる。そこから《修復の天使》や《黎明をもたらす者ライラ》、《機械巨人》につなげられれば良いが、クリーチャーを対処し続けられずにガス欠に陥り結局負けてしまうことも多い。特に1ゲーム目は間違いなく不利である。

多くのプレイヤーが嘆いているように、《這い寄る恐怖/Creeping Chill(GRN)》は一番の悩みのタネだ。サイド後は34枚の《安らかなる眠り》、12枚の《外科的摘出》、追加の《残骸の漂着》、《ルーンの光輪/Runed Halo(SHM)》、《否認/Negate(BBD)》、《黎明をもたらす者ライラ》、《機械巨人》あたりをインすることで相性を改善できる。それでも微不利~互角といったところだが、勝敗はこちらの引きに左右される部分も大きい。サイドカードを駆使しつつ4ターン目以降まで持ち越せれば、ゲームはまだわからない。

 

D - 微不利 もしくは C - 互角 議論の余地あり

 

◆BGx / マルドゥパイロマンサー

ゲームの要点は21交換だ。彼らの《稲妻/Lightning Bolt(A25)》は我々のクリーチャーに対してほぼ無意味で、プレインズウォーカーがいない我々のデッキに対しては《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy(GRN)》も弱い《終止/Terminate(PLS)》でしかない。BGもマルドゥも行動は基本的にソーサリースピードであり、インスタントや瞬速が多い我々は器用に立ち回ることができる。

《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》や《騒乱の歓楽者/Bedlam Reveler(EMN)》、《血染めの月/Blood Moon(A25)》《罠の橋/Ensnaring Bridge(A25)》に対処しなければならない点でマルドゥはBGより強敵だが、どちらも互角から微有利といった相性には落ち着いている。

 

B - 微有利(BGx)

C - 互角(マルドゥ)

 

青白/バントスピリット

スピリットの強みはその回避能力にあるが、青白ミッドレンジに対しては・・・効果は今一つと言えよう。2体並んだ《ドラグスコルの隊長/Drogskol Captain(DKA)》は大抵のミッドレンジデッキにとって死を意味するが、我々は《修復の天使》で瞬速ブロックができる。

バントスピリットに対しては、《集合した中隊/Collected Company(DTK)》や1ターン目の《貴族の教主/Noble Hierarch(CON)》などが刺さって負けることもある。《至高の評決》すら打ち消す《呪文捕らえ/Spell Queller(EMN)》も嫌らしい。サイド後は《機械巨人》や《黎明をもたらす者ライラ》によって善戦が可能。総じて、青白には微有利で、バントとは互角といったところか。

 

B - 微有利(青白)

C - 互角(バント)

 

エルフ/マーフォーク

ここのところあまり見かけないデッキとなったが、私としては特に不満はない。

マーフォークは島渡りによって《前兆の壁》や《台所の嫌がらせ屋》を乗り越えて、こちらが盤面を整える前に決着をつけてくる。エルフは《暴走の先導/Lead the Stampede(CNS)》により手札の枚数を維持しながら並々ならぬ戦力を築き上げる。

3枚の全体除去と2枚の《機械巨人》により、我々には充分なボードコントロール能力が備わっている。《失脚》や《呪文嵌め/Spell Snare(BBD)》は序盤の足止めとして優秀で、《謎めいた命令/Cryptic Command(MMA)》はライフレースにおいて全体除去にも匹敵する力を持つ。

とはいいつつも、相性がいいとまでは言えないマッチアップだ。

 

D - 微不利

 

青白奇跡

このマッチアップに関心がありこの記事を読んでいる人もいるのだろう。私は極端な物言いが好きな性分だが、このマッチアップに関してはさにあらず。

我々の瞬速クリーチャーは相手の打消しや《終末/Terminus(AVR)》を掻い潜るのに適しているが、相手の《祖先の幻視/Ancestral Vision(TSP)》や《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》もゲームを決着付けるほどに強い。

私は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を対奇跡用にサイドに置いているが、《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir(TSP)》や《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》、追加の《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》といった選択肢も有効だ。

青白奇跡との対戦は経験がものを言う。つまるところ、五分五分だ。

 

C - 互角

 

 

青白ミッドレンジはモダンの多くのデッキと違う方向性を持っており、かつ青白という組み合わせの本来の戦略とも異なる立ち回りをする。5年前に青白ヒロイックで得た私の経験が、巡り巡って5年後の今このような形で生きているのは嬉しい誤算だ。ダイナミックで、かつ思考力・判断力を問われるようなデッキが好きな人は、ぜひ青白ミッドレンジを試してほしい。私がプレイしてきた中でも最もチャレンジングなデッキの一つだが、それに見合う強さがある。このデッキは使えば使うほど、プレイヤーとしてもっとうまくなれる、もっと強くなれると感じられる。

 

例えばCurryvoreの青白ミッドレンジやReid DukeBGxのように、自分の中で最もうまく使えるデッキを使い続け、それを適応させ続けるという姿勢は、Francescoのモットーでもあり、彼が共有してくれた推察にも色濃く反映されている。

 

・・・モダンにおいてデッキを選びそれを極めることは、武術を選びそれを極めることに似ている。例えばブルース・リーのような達人であれば、ある武道家がなんの武術に通じているかによって、その人がどのような性格であるかまでわかってしまう。武道家は勝率を数パーセント上げるために己の武術を鞍替えすることはない。他の武術から技法を借り入れることはあれど、武道家は己の経験と技の改善に固執するものだ。あらゆる困難をものともせず、彼らはより賢くより賢く戦おうとする。より速く、より力強くなろうとするのではない。

 

水の如くあれ、友よ。

 

青白ミッドレンジに関してさらに知りたいのであれば、Franseco Neo Amatiのコラムをまず読むことをお勧めする。

 

それではまた。いつものように、

ピース、ラブ、アンド・・・リストレーションエンジェル

Liam Fries

Translated by Naoya "Moroii" Yokozawa