ご無沙汰しております、Onogamesです!
海外の青白フリークから大人気!モダン青白界のインフルエンサーCurryvoreこと齋藤さんがMOで結果を残されたとの事で早速記事をご投稿いただきました。
※海を越え、イベントの景品となった齋藤さんのサイン入り修復の天使。
モダンホライゾン2発売後の記事、大変気になるところです。
それでは、齋藤さんの記事をお楽しみください!
―ごあいさつ
こんにちは。onogamesの齋藤です。お久しぶりです。前回の記事を書かせてもらってから3年近く経ってしまいましたが、その間も細々とMOのモダンリーグで遊び続けていました。
最近のモダンチャレンジで2回入賞できて手応えを感じていたところ、10月9日のモダンチャレンジでは運良く優勝することができました。今回は昨今のモダン環境に触れつつ使用した青白コントロールについて話をしていきたいと思います。
モダンをプレイしている方やこれから参入したいと考えている方の役に立てれば幸いです。
―昨今のモダン環境について
モダンホライゾン2は強過ぎるという話はよく聞きますが、実際プレイしてみるとかなりフェアな環境だということがわかります。軽くまとめると。
・ブッ壊れだと思われていたウルザの物語やラガバンは対応可能であった。
・ホガークの様な真のブッ壊れは存在しなかった。
・除去とカウンターの水準が上がりフェアデッキが強化さた。
・コンボを強化するカードが刷られなかった。
このフェア寄りの傾向はウーロや神秘の聖域が禁止された後から続いています。大きくデッキに変化のないバーンが活躍していることからも環境は落ち着いているように思えます。
研究が進みメタゲームが固まる過程で、大会上位の顔ぶれは見慣れたものになってきましたが、それでも10種類以上のアーキタイプが活躍し、優勝も毎回違うデッキです。禁止が出そうな雰囲気はないので、禁止が怖くて現物のカードが買えなかった方は揃えていってもいいと思います。テーブルトップのイベントも再開されそうな雰囲気が出てきたのも嬉しい限りです!
―青白コントロールの台頭
青白コントロールは現在大活躍中のアーキタイプの一つです。モダンホライゾン2で大幅に強化されました。
※齋藤さんのデッキではありません。齋藤さんのデッキは後述する青白ヨーリオンです。
打ち消し、ドロー、除去、蓋をするPWから成るクラシックな青白コントロールの構成です。脇を固める対抗呪文や虹色の終焉が加わったところに虚空の盃を採用したことがブレイクスルーとなりました。
虚空の杯はモダン環境においても凶悪さを見せつけました。続唱系のリビングエンドとティムールサイにはX=0、軽いスペルを多様する赤系やハンマータイムにはX=1と多くのデッキを機能不全におとしいれます。
モダン黎明期より白の定番除去だった流刑への道も今では過去のカードです。
相棒のカヒーラは以前は大きなシナジーもなく、メインボードがノンクリーチャーならタダだし入れておけくらいの採用理由でしたが、モダンホライゾン2から加入した孤独との相性が良く、ピッチコストに当てられたり、場に残った孤独を4/3警戒にしてくれたりと望外の活躍をしてくれます。
ー青白ヨーリオン
こちらが今回使用したデッキです。ヨーリオンを採用することで、見た目は大きく変化しましたが、ずっと愛用している修復の天使入りの青白コントロールです。自分でも何時から壁を天使でブリンクしているのか気になってGoldfishで検索してみたところ、2015年頃からずっと同じデッキ使っていました。虎穴勢なのか?
こちらの青白ヨーリオン、根幹となるスペルは先ほど取り上げた青白コントロールと共有しておりますが、アドバンテージ獲得手段とフィニッシャーをヨーリオンと修復の天使が担っているのが特徴です。
ヨーリオンと修復の天使をブリンクし合うことで、自分と相手のエンドに毎回ヨーリオンのブリンクが誘発します。ブリンクに前兆の壁や広がりゆく海を巻き込めればエンドごとにカードアドバンテージを稼げますし、そこに孤独やテフェリーが加われば一気に盤面を掌握できます。
直近で採用枚数を増やした海の神のお告げはとても気に入っています。デッキを80枚にしたことによる安定性の低下を緩和しつつ、ヨーリオン着地時のアドバンテージを担保してくれる縁の下の力持ちです。相棒のメリットである再現性の高さを活かす為にも、こういった下地となるカードは大切でした。テフェリーでバウンスして再利用するなら広がりゆく海より素晴らしい選択肢となります。
もう一つ特徴的なカードとしてヴェンディリオン三人衆を採用しています。今のモダンではパワー不足である様に見えますが、ヨーリオンやテフェリーなどを着地させるための安全確認というこのデッキにおいてとても重要な仕事を担っています。
プランの一つとして、修復の天使、天界の列柱達とともにクロックパーミッションとして立ち回ることもできます。
ーサイドボード
サイドボードにはいつも頭を悩ませますがヨーリオンを採用するとさらに難しくなります。枠が14枚に減り、デッキ枚数も増え採用するカードの種類を散らすと欲しいカードが引き込めません。モダンはサイド15枚じゃ足りない!というのもよく聞く話ですが、さらに厳しい条件でやりくりをしなくてはなりません。
そのため絶対に引きたいカードは4枚にすること。採用するカードは複数のマッチでサイドインできること。そしてこれはヨーリオンに限らず普段の構築から意識していることですが、複数の役割をこなせるカードを採用するようにしています。
・安らかなる眠り
安らかなる眠りは今の環境にとてもマッチした(いつもかもしれない)サイドカードです。トップメタの一角であるリビングエンドにはもちろんのこと、大流行のカウンターモンキーとジャンドサーガにもぶっ刺さります。
実はかなりの頻度で対戦するライブラリーアウトにも効果的で、複数のカードを無意味なものにできます。(そもそも20枚多いデッキのおかげで有利な相手ですが)
安らかなる眠りは新進気鋭のリアニメイトや黒緑ヨーグモスにも有効です。
・太陽の宿敵、エルズペス
例えば機を見た援軍のようなカードはバーンには非常に効果的ですが、他のアグロ相手にサイドインしてもあまり有効ではない受けの狭いカードです。しかし何かしらのライフを戻す手段は必要ですので、コントロールにもサイドインできる太陽の宿敵、エルズペスを採用しています。すごくいいカードかと言われると微妙なラインですがバーンには十分強力です。復活して10点ライフを戻せることもありますし、コントロール相手にもそこそこの活躍をしてくれます。3枚のエルズペスに「バーン戦でのライフゲイン」と「対コントロール戦でのプレッシャー」、サイドボード6枚分の役割を担わせようという目論みです。
・緻密
クロックパーミッション戦略を後押しするカードです。トロンや緑タイタン系のデッキ、エレメンタル、青白コントロールにサイドインします。純光の聖騎士による突然死を防ぐためにハンマータイムにもインしますし、最近はバーンにも入れています。大歓楽の幻霊で負けてしまうことが多いのですが、1ターンズラせればカウンターが間に合いますからね。
ヨーリオンとのシナジーはありませんが、修復の天使との相性は抜群で最高です。クロックを増やしながらタイムワープを打っているような状況が作れます。上に置かれた嫌なカードも廃墟の地を経由しライブラリーの奥へ押し込むことができます。
ーまとめ
青白ヨーリオン、いかがだったでしょうか。高い再現性を実現できるものの、ドローの安定性を低下させるヨーリオン。癖は強いですが研究のし甲斐があり、使っていて楽しいデッキです。もしこのデッキを使ってみたい人がいたら、マナベースはまだまだ手のつけられる状況である事を覚えておいてください。廃墟の地は非常に強力ですが、色マナトラブルのリスクがあります。
環境を定義する青白コントロールと根幹となるパーツは共有しているものの、前兆の壁を修復の天使でブリンクするようなぱっとみふんわりファンデッキでもモダンで遊ぶ事はできます。やはり好きなカードやデッキで遊ぶのが一番楽しいので、皆さんも自分の好きなデッキでモダン環境にチャレンジしてみて欲しいです。最初に述べましたが、現環境はとてもフェアな環境であり、好きなデッキを遊ぶのには最適なのではないでしょうか?MOのリーグでも面白いデッキに当たることがしばしばあり、まだまだメタゲームは固まっていないと感じています。
それでは今回はこの辺でおしまいです。また何か書けそうな事があったら書いてみたいと思います。それでは再開したテーブルトップの大会でいつかお会いしましょう!
齋藤鷹也