Onogames

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ALL WILL BE ONO.

エタパ2022準優勝!ファミランレガシーカップ優勝!!!「富山謹製赤単ペインター」

こんにちわ、Onogamesです。

 

先月はファミランレガシーカップへのご参加ありがとうございました!

北陸の皆様とも交流でき非常に楽しかったです!また混ぜて頂けたらなと思います。

今回は5月に行われたエターナルパーティ2022で準優勝、今回のファミランレガシーカップで優勝と乗りに乗っているオクノアツヤさんが記事を書いてくださいました。

最近では珍しい赤単ペインターの記事となっております。レガシーのデッキの中では比較的安く組みやすく、かつシナジーカードが多く回してて面白いデッキです。

レガシーの新規参入や2ndデッキ作成を検討されている方にもある種オススメの記事になっております。

 


それではオクノさんの記事をお楽しみください。

 

あいさつと自己紹介


初めまして、オクノです。

6/25に行われたファミランレガシーカップで念願の優勝することができました。

この記事はエターナルパーティ2022~ファミランレガシーカップ(以下、エタパ及びファミランカップ)の回想と最近の赤単ペインター事情について書かせていただきました。また、赤単ペインターの調整やシステムについても説明させていただいておりますので、赤単ペインターの詳しい内容に興味がある方はそちらだけでも見て頂けたら嬉しいです!

 

レガシー 約6年

赤単ペインター 約6年

出身 富山県

主な戦績

Eternal Weekend Asia 2019 - top8

Eternal Party 2022 in Tokyo - 準優勝

ファミランレガシーカップ- 優勝

 

初めに富山でのmtg事情を軽く話させていただきます。ここ富山では、毎週のように下環境のイベントやフリプが開かれており、FNMやその規模のイベントでも参加人数が20人を超える大きな盛り上がりを見せています。地方でのプレイする場や人口を考えてもかなり恵まれているように思えます。また、隣の石川県でもファミランカップの主催であるファミコンランド小松店さんがFF(ファミコンファイト)と称してレガシーの大会を開いてくださっており、その度に富山のプレイヤー達と参加させていただいております。

そんな中でのエタパ開催決定の報は、ここ数年北陸のみでレガシーをプレイしていた自分にとって胸躍るものでした。

 

レガシーをプレイする機会には恵まれておりましたので、エタパまでは調整や練習のために大会やフリプにはできる限り参加し、赤単ペインターだけでなくURデルバーもよくプレイしました。メタゲームが回り続ける中で強い構築を知らずに大会に挑みたくない事、最後までミラー戦の自信をつけることができなかった事から、長く使用している赤単ペインターを使用することに決めました。

 

赤単ペインターとは

 

《絵描きの召使い》と《丸砥石》のコンボを主軸としたコンボデッキです。主に赤単色で組まれます。


《絵描きの召使い》が場に出ている状態で《丸砥石》を起動すると、ライブラリーのカードすべてが共通の色を持っているため、相手のライブラリーがすべて墓地に落ちます

※エタパのリスト

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※ファミランカップのリスト(当時の最新)

《紅蓮破》や《ゴブリンの溶接工》などの補助カードの動きは一見すると赤単とは思えないような器用さや再現性を持っています。また、コンボ以外にも《ウルザの物語》や《大いなる創造者、カーン》など豊富な勝ち手段があり、コンボコントロールという言葉で表現するとデッキの動きを想像しやすいかもしれません。

次の項目でカードごとに説明や使用時のコツなどを軽く触れていきたいと思います。

 

デッキの軸となるカード

 

《ゴブリンの溶接工》《ゴブリンの技師》

召喚酔いさえ解ければコンボパーツからヘイトアーティファクトまで墓地からインスタントタイミングで場に出せるこのデッキを象徴するようなクリーチャー。明確なキープ基準となり序盤は全てのデッキに対しての安定行動でもあります。

※ヘイトアーティファクト:《虚空の杯》や《三なる宝球》などの相手の動きを阻害するアーティファクト

 

アーティファクトへの打ち消しや除去への耐性が上がるのでコンボへのルートも含め、場に残ると勝ちへ大きく近づきます。

見て頂くとわかると思いますが、釣れるサイズとコストはじめ能力が違いますのでご注意ください。現在の構築ではそれぞれに明確な役割を持たせています。

場に出てからの能力の挙動についても違いがあり、起動の順番でもケアできる対策が変わってくるので覚えておきましょう。

《ゴブリンの溶接工》はどちらか片方が対象不適正になると立ち消えます。(アドバンテージを失いません)また、相手の場と墓地でも交換できます。

 

《大いなる創造者、カーン》

※オクノさんはSecret Lair版の特殊なカーンを使用しておりますが、あまりにも記事に向いておりませんでしたので画像は通常版を使用しております。

サイドボードのカードを手札に加える願い能力とこのデッキの苦手な《虚空の杯》や高速コンボのマナアーティファクトを対処できる頼れるプレインズウォーカー。

《古の墳墓》や《睡蓮の花びら》からの《大いなる創造者、カーン》プレイは打ち消しの無い相手に強く、対処が遅れればこの動きだけで勝つことができます。

場に出した際に、相手の稲妻の有無や場の生物の数によって能力の使い方を考えましょう。

-2能力から《液鋼の塗膜》や《マイコシンスの格子》を持ってくる動きは攻めとして強いのですが、この2種類は《大いなる創造者、カーン》がいないと何もしません。まずは《大いなる創造者、カーン》が破壊されないように動くことが大切です。赤単ペインターにはクリーチャーがそこそこ入っているのでコンボを捨て、カーンを守るためのブロックに回ることも多いです。

《大いなる創造者、カーン》が弱いマッチもあるのでその時はコンボパーツや《罠の橋》を持ってきて少しでも価値のあるカードに変えましょう。

 初期忠誠値も高く、+1能力(対象無し)から入って《大いなる創造者、カーン》を維持するだけでも相手に圧はかかるので様子見も強い選択肢です。

 

《ウルザの物語》

最大で3枚のアーティファクトを生み、コンボパーツもマナを払わず用意してくれる土地。

《古えの墳墓》を使い序盤からトークンを出して殴りに行くこともありますが、他のデッキと違いサイズが保証されていないためそれで決める事よりもトークンを対処させながらゴブリンやコンボを狙いに行く動きが非常に強力です。

このデッキにとってはトークンよりもサーチを優先する事があり、速さを活かす場合や《虚空の杯》x=1を超えるときに必要となるので覚えておきましょう。

 

《ゴブリンの溶接工》《ゴブリンの技師》《大いなる創造者、カーン》《ウルザの物語》この4枚の強さは選択肢の多さにあります。起動するタイミングの状況によって能力を選べるので能力を起動すればするほど有利になっていきます。なるべく早く場に出し、盤面を作っていきましょう。

 

《紅蓮破》《赤霊破》

レガシーの環境特有の青対策スペル。

《絵描きの召使い》と合わせるとカウンターにも除去にもなり、青が多いレガシーにおいては単体でも使いやすいのでメインから6枚採用しています。

本来赤では触りにくいカードまで除去できるのでカード1枚で積み といったことが激減します。

《紅蓮破》と《赤霊破》の違いは、青くないカードを対象に取れるかどうかです。このデッキでは《罠の橋》のために手札を消費したいタイミングがあるので《紅蓮破》を優先して採用しています。

 

《絵描きの召使い》

コンボパーツ。
サイドに1枚移すことで《大いなる創造者、カーン》からサーチが可能になりますが、メインはコンボを通しに行く事、6枚入っている《紅蓮波》を使いやすくする事を意識し4枚採用しています。
サイド後から速度勝負をしたり、《紅蓮波》で相手に干渉する必要があるマッチでない場合は、《大いなる創造者、カーン》のためにサイドに移すことが多いです。

《丸砥石》

コンボパーツ。
《大いなる創造者、カーン》や《ウルザの物語》から持ってこれるためメインは2枚のみの採用となっております。ゴブリンの為に墓地を肥やしたり交換用のアーティファクトにはなりますが、単体では仕事をすることはほぼないので枚数はなるべく抑えたいカードです。

 

採用カード:土地

《大焼炉》

アーティファクト土地。

ゴブリンや《ウルザの物語》を強く使うためのカードですが、サイドからのアーティファクト全除去に巻き込まれやすいため1枚の採用に抑えてます。

優先権を渡さずに場に出せるため、ゴブリンとの相性が良く撃ち消しや除去を構えている相手のプランを崩すことができます。

 

《古えの墳墓》

2マナランド。

コンボやカーンに早く向かうための土地です。《不毛の大地》が入っている相手には安直に場に出さずにプレイするカードを引いてから場に出すようにしましょう。

 

採用カード:アーティファクト

 

《呪われた鏡》

出たターンのみ速攻が付与された他の生物のコピーとなるマナファクト。

《ゴブリンの技師》から墓地に落とすカードとして裏目が少なく、様々な使い道があります。

・相手のクリーチャー(デプスコンボからのマリット・レイジやエムラクール)になる

・《ゴブリンの技師》になり別のカードをサーチする

・コンボの際《絵描きの召使い》のコピーになり相手の除去を躱す

など、デッキに1枚あると動きの幅が増えます。

 

《ワームとぐろエンジン》

主にゴブリン2種が揃った場合の勝ち手段。

1t《ゴブリンの溶接工》、2t《ゴブリンの技師》+アーティファクトと動くだけで場に出すことができます。このデッキにはマナ加速や墓地に送る手段が豊富なため様々な方法で場に出すことができ、腐ることがありません。

墓地に落ちると2体に増えるのでゴブリンが生きてる限り場のアーティファクトを増やし続けることができます。

 

《罠の橋》

対デルバー等フェアデッキへの勝ち筋となるアーティファクト

ゴブリンが居れば除去から守りやすく、1枚で勝てることも多いです。

コンボや《大いなる創造者、カーン》の為の時間稼ぎにもなるのでデッキと噛み合っていますが、相手によっては必要ありませんし、技師からサーチが可能なので1枚の採用に抑えています。

 

《地獄料理書》

《ウルザの物語》とゴブリンの強さを増強させるアーティファクト

《ウルザの物語》の3章から持ってきて手札を捨ててトークンをパンプしトークンプランを補佐します。

ゴブリンとの相性は凶悪です。能力起動の条件となる、場と墓地のアーティファクトをマナを使わずに揃えることができます。ゴブリンを使い場と墓地を往復させることで《罠の橋》などの置物をバウンスから守ることができます。

食物による延命も非常に有効で、デルバーとの殴り合いや《罠の橋》設置後に火力でライフを削りきられるなど相手のプランを崩すことができます。

 

《魂標ランタン》

《ウルザの物語》からサーチできる墓地対策アーティファクト

ライブラリー破壊を勝ち手段の一つとするこのデッキにおいては相手のライブラリー修復カード(忍耐やエムラクール)への対策という大きな役割を持っています。ゴブリンで再利用ができるので墓地を使うデッキにはそれだけで勝てることもあります。

 

《ブレイヤの見習い》

アーティファクト2枚分になり、飛行のブロッカーも用意できるクリーチャー。

能力が多くそこそこのカードパワーを持っていますが、これだけで勝てるカードでは無く、相手への干渉もしないので対デプスや盤面を固めたい時の潤滑剤としてサーチ先として1枚採用しています。

 

オパールのモックス》

恒久的にマナを産むアーティファクト

ペタルより強いですが、アーティファクトが並ばないことがあるのでサーガからのサーチ用で1枚です。サイド後は相手のアーティファクト対策が入るので基本的に抜けます。

 

《水蓮の花びら》

瞬間的にマナを産むアーティファクト

《紅蓮破》を構えたり《大いなる創造者、カーン》を早く出すために使うことが多いです。このカードは能動的に墓地に置くことが出来るので、墓地にアーティファクトが無い時のゴブリンの能力の対象にできます。この動きはアーティファクトを追放除去から守ったりcip能力を再度誘発させるために使うことがあります。

 

採用カード:その他

 

《稲妻》


丸い除去スペル。
デルバーに対しても非常に強いカードです。システムクリーチャーやヘイトベアに対しても気兼ねなく打てます。 pwを守ることも落とすこともできるので腐ることが少ないです。

※ヘイトベア:《スレイベンの守護者、サリア》などの相手の動きを阻害するクリーチャー

 

《鏡割りの寓話》


アドバンテージを供給したり、手札を回したり、マスト除去にもなるエンチャント。
相手への干渉はできませんが、能動的な強いアクションが増えつつ、ドローで相手の動きへの解答を探すこともできます。
《古えの墳墓》から早いターンに場出すことで有利な盤面を先作り、対策札を探しにいけます。
言うまでもなく裏面の能力は強力です。主なコピー先は2種のゴブリンと《絵描きの召使い》となります。ゴブリンたちには疑似的な速攻を付与でき、《絵描きの召使い》のコピーはそのままコンボ成立を決定的にします。

 

赤単ペインターにとってこの2枚のカードは特にシナジーが強いとは言えません。しかし、カードパワーが高く、1枚で完結しているカードなので可能な限り採用しました。後ほど説明させていただきますが、これらの採用が大きく勝ちに貢献しました。

 

採用カード:サイドボード

 

《外科的摘出》
墓地利用やコンボに対して後手1t目でも動ける対策カード。

 

《削剥》
クリーチャーやアーティファクトデッキに対して追加の除去。相手がサイドボード後に入れてくる《真髄の針》や《無のロッド》のようなカードへの対策。的が少ないのなら無理にサイドインしません。


《焦熱の合流点》 
クリーチャーやアーティファクトデッキに対しての全除去。8castや赤単ストンピィが増えたため増量。打つ際には自分のゴブリンも巻き込まれる為、その後の展開を意識することが大切です。


《破滅》
《ウルザの物語》が入り《血染めの月》を入れることができないため採用しました。コントロールにも入れるため《灰からの再興》 では無く《破滅》を優先しています。状況に左右されるため採用枚数は多くありません。


《反逆の先導者、チャンドラ》
アーティファクトカードが増えたため別の勝ち筋として採用。 環境に《水流波》が増えたため1枚のみとなっております。

 

《三なる宝球》
コンボ全般に対しての置物。


《トーモッドの墓所
《大いなる創造者、カーン》着地からそのまま出せる墓地対策。もちろんメインからも動けます。
ゴブリンの能力起動のためのアーティファクトとして0マナで置く場合があります。この際には場と墓地どちらのアーティファクトとしても使えます。

 

《大いなる創造者、カーン》パッケージ

《液鋼の塗膜》
《大いなる創造者、カーン》から持ってきて蓋をするカード。

《マイコシンスの格子》
《大いなる創造者、カーン》から持ってきて勝つカード。

《罠の橋》
主にメインで《大いなる創造者、カーン》から持ってくる為にサイドにも1枚。

《丸砥石》 
《大いなる創造者、カーン》から持ってくるために1枚。

 

サイドのアーティファクトについて、
《大いなる創造者、カーン》が入っているため、サイド後にアーティファクトをサイドインするか迷われるかと思います。対コンボなど早い場面で対策カードが必要な場合や、ぶっ刺さるカードは思い切ってサイドインしましょう。

 

今回採用しなかったカード

 

《影槍》
《改良式鋳造所》
《真髄の針》
《両替機》
サイド後のアーティファクト対策が強固となっている今全除去によって流れやすいカードは勝ちにつながる物以外は採用が難しい状況です。また、能力の起動にマナが掛かるものは今回不採用になっていることが多いです。

 

《呪文滑り》
サイドからはアーティファクト全除去が多いので、入れる場合はメインでの採用となります。現状カードパワーが低いと感じ不採用となりました。

 

《双弾の狙撃手》
2点火力はあまりにも範囲が狭いと感じました。また《ゴブリンの溶接工》でしか釣れないことが決まり手となり《稲妻》に代わりました。

 

《遺跡掘削機》
《ゴブリンの溶接工》からの最速着地のために入れてましたが一枚で勝たないことが多く抜けていきました。

 

《狂乱の呪詛》
デッキのコンセプトと合わず、盤面には何もしないため不採用。勝てるプランを取れるなら複数枚取りたいカードですが、枠がなかったことも向かい風でした。

 

《裏切り者の都》
《鏡割りの寓話》を増やしたため欲しい場面が増えましたが、《古えの墳墓》でかろうじて間に合っていることと特殊地形対策のため《山》をこれ以上減らしたくないため不採用となりました。

 

赤単ペインターのメカニズム

 

主な勝ちプラン

・ペインターコンボ

・カーンマイコ(塗膜)

・ワムコビート

・罠橋ロック

・サーガトークンビート

ほぼすべてのマッチアップでこれらの組み合わせでの勝ちを狙います。

相手となるアーキタイプによってプランの取りやすさが違いますので、強い行動と弱い行動が別れるので盤面を含めプランを立てていきましょう。

2種のゴブリンは直接勝ちに繋がらないのですが、ほぼ全てのプランの助けとなります。ゴブリンの使い方は定石的な物もありますが、その場にあるカードやハンドで戦うアドリブ力が大切です。今何をできるかを前提として相手のカードと戦えるようにしましょう。

 

強力なシナジーを生む組み合わせ

 

《絵描きの召使い》+《丸砥石》

一撃必殺のコンボです。

除去1枚で防がれてしまいますので、3マナを立ていつでも起動できる状態でターンを進めることもあります。相手も除去のマナを他に使えなくなるのでゴブリンや《紅蓮破》で守れる状況まで待った後にコンボを決めに行く事が非常に大事なプレイングとなります。

コンボをスタートするタイミングも重要です。相手のアップキープ、相手のエンド、自分のターン等で決まるかどうかが変わることも多いです。基本的には相手のターンかつハンドが一番少ないタイミングであるアップキープに起動することが多いです。相手のマナが寝ているならそのタイミングで起動したり、隙が少ないことや、自分のターンにもう一度仕掛けられるために相手のエンドに起動することもあります。

深読みし過ぎて遅れるのも負けに繋がるので、盤面や相手のデッキを考慮し決めにいきましょう。

《丸砥石》の能力をスタックに置き、ゴブリンを使い墓地の《絵描きの召使い》と交換することでコンボが決まります。この挙動はよく使うので必ず意識しておきましょう。

 

《絵描きの召使い》+《紅蓮破》《赤霊破》

万能な打ち消し&除去ですが、こちらから除去をしにいった場合、《絵描きの召使い》が除去られると赤ブラも不適正になってしまうので気を付けましょう。

コンボのためのカウンターではなく、相手の脅威を取り除く除去として使用する機会は想像以上に多いです。

土地に対して打ってマナを縛ることもできます。

 

《ゴブリンの溶接工》+《ゴブリンの技師》

1t溶接工、2t技師+アーティファクトと動くと好きなアーティファクトをそのまま場に出せます。 ここではコンボパーツを持ってくるよりも《ワームとぐろエンジン》やサイド後の《三なる宝球》など1枚で劇的に刺さるカードを落とす方が良いでしょう。アドバンテージも失わないので初手に揃っていれば積極的に仕掛けていきましょう。先にアーティファクトを場に出し、《ゴブリンの溶接工》が対処されるかどうか見てから《ゴブリンの技師》で落とすカードを決定します。

 

《ゴブリンの技師》+《呪われた鏡》

《ゴブリンの技師》がいる時にどちらかのゴブリンで《呪われた鏡》を場に出すと速攻を持つ《ゴブリンの技師》のコピーとなりcip能力で好きなアーティファクトを落としつつ、3マナ以下であればそのまま場に出せます。

 相手の挙動を見てからインスタントタイミングで対応できるので、これらが揃うとデッキ全体で戦えるようになります。

時間さえかければコンボも揃うので状況を見て落とすカードを決めましょう。

場のアーティファクトが足りない時には、《地獄料理書》や《ブレイヤの見習い》でアーティファクトカウントを稼ぐことができることを覚えておいてください。

 

2種のゴブリン+《地獄料理書》

マナを使わずに場と墓地両方にアーティファクトを揃えることができます。つまり手札のアーティファクトを場に出すことができます。場や墓地などはケアされがちですが、手札からという事で相手の意識の外のカードを場に出すことができます。

《大いなる創造者、カーン》から持ってきたものをマナを掛けずに出せるので即マイコカーンを揃えることもできます。

 

《キキジキの鏡像》+《キキジキの鏡像》(呪われた鏡)

《キキジキの鏡像》を2枚場に出した場合、マナの許す限りの速攻コピートークンを生成できます。相手のエンドに起動すれば自分のメインで動かすことができ、勝ちに大きく近づきます。

なかなか2体を揃えるのは難しいですが、《呪われた鏡》でコピーすることでも達成することができますので相手の隙を見て狙っていきましょう。

 

デッキ調整とメタゲーム予想

 

赤単ペインターには1枚で仕事をしないカードが沢山入ってます。コンボパーツもそうですがゴブリンも含め、組み合わせでアドバンテージや強い動きを押し付けていきます。逆に言ってしまうとソレ1枚やシナジーの無いカードだけで戦うことはできません。 
今回の調整では『単体で弱いカード』をなるべく減らし『単体で強い(完結している)カード』を増やすことを意識しました。 《稲妻》もその一つで、初めは対デルバーを意識した対策カードという見方をしていましたが他の生物デッキではもちろん、PWをめぐる攻防の際にも関与することや《石鍛冶の神秘家》を筆頭としたシステムクリーチャーやヘイトベアを難なく対処できたりと非常に便利なカードでした。環境がデルバーに向いていることも含め、赤単ペインターというデッキでも4枚まで採用する価値は高いと思ってます。


 次に試したのは《鏡割りの寓話》です。 赤単ストンピィで4枚採用されている事もあって気になっていましたが、相手に干渉しないことや仕事をするまでに数ターンのラグがあることを懸念して採用を見送っていました。 
赤単ペインターへの採用を検討していく中で、強いシナジーが形成されないカード(しかもエンチャント)の評価は難しいことが多いです。例によってこのカードも採用当初は半信半疑での使用となりました。その評価よろしく、ペインターに合う合わない関係無くただただ強いカードというところが最初期の正直な感想です。

共有した友人と調整を続けていくと、一度場に出れば素早く安定して盤面に圧をかけることができる圧倒的なカードパワーに気づくことができ、文句無しに採用が決まりました。ブレの多い能力である事、相手を選ぶ事など目をつぶるには大きい弱点を考慮してもメインから採用するには十分な性能と考えております。

 

今のメタゲームは、
Tier1:URデルバー
Tier2:トリココントロール 8cast 赤単ストンピィ
Tier3:その他多数(コンボ、土地系、生物系)
とURデルバーが抜けて強く、Tierにはその他よりも少し強いデッキが存在しているという認識です。
今のレガシーはURデルバーとそれ以外のデッキで大きく差があると考えています。

ペインター視点でこのメタゲームを見てみると、Tier2以下のデッキには8castとトリココンには大きく有利をとれ、赤単プリズンに対しては五分以上、それ以外のデッキに対しても戦えるデッキパワーはあり、苦手な《大いなる創造者、カーン》&《虚空の杯》や高速コンボデッキも少ないので立ち位置は良いです。
しかし、赤単ペインターはURデルバーに対して五分以上の相性を取ることが難しいです。ですが、母数も多く強力なデッキで大会に出ると必ず当たることになるのでデルバーに勝つことを絶対に意識しなければなりません。

 

マッチアップ:プレイ指針とサイドボード

 

 

多くのマッチアップに言える事ととして、メインはドロースペルやゲームを長引かせる対策カードが無いので噛み合いの勝負になることが多いです。しかし、このデッキには押し付ける力が多いカードが多く、想定のプラン以外でも戦えるので無理なマリガンはしません。
意識した相手へのプランはデッキを作る上でも必要となってくるので準備しておきましょう。


[URデルバー]    微不利 4.5:5.5

メインは五分、サイド後は不利なマッチアップです。
メインはペインター側の攻めに対応しながらでもクロックが間に合ってしまうので全力で《罠の橋》を目指しましょう。除去は積んでいますが、《ドラゴンの怒りの媒介者》に対しては《稲妻》を引くしかなく、《濁浪の執政》の攻撃を一度でも通すと《古えの墳墓》のライフロス分も加え《稲妻》だけで削られてしまいます。《罠の橋》を置いた後でも《稲妻》で残りのライフを削られたり、《厚かましい借り手》によってバウンスされると負けてしまうので《地獄料理書》によるライフの維持や先述したバウンス対策を心がけましょう。これらのカードに《紅蓮破》を当てられたら最高ですね。

サイド後は《溶融》が入ってくるのでアーティファクトの信頼度が大きく下がります。場のアーティファクトが全て破壊されるとゴブリンで場に戻すこともできません。メイン同様ほとんどのカードが《稲妻》で除去されるので《絵描きの召使い》や《大いなる創造者、カーン》が弱く、除去をしながらゴブリンや《鏡割りの寓話》で圧を掛けていくという様な消耗戦へ持ち込む必要があります。デルバー側も《表現の反復》によってリソースが尽きにくく、対策札を引いてこられるのでロングゲームになることが多いです。
《破滅》で土地を枯らしたり(溶融を満足に打てなくする)、《反逆の先導者、チャンドラ》でリソースに大きく差をつけることができれば大きく勝ちに近づけます。

《ウルザの物語》については《不毛の大地》で満足に起動ができません。また、他の《ウルザの物語》デッキと違って《虚空の杯》、《影槍》等のデルバーに強いカードが入っていないので相手のクロックの方が早い場合が多いです。サイド後は特にトークンで詰める事は難しく、サーチするアーティファクトも他のと一緒に《溶融》で流されることが多いので弱いカードとなります。

 

最近試されてるURドラゴンのように遅い構成を取ってくれると序盤に猶予ができるので相性はひっくり返り、微有利を取れると考えています。

 

【先手】
In:《削剥》2《破滅》1 《反逆の先導者、チャンドラ》1 《罠の橋》1
Out:《絵描きの召使い》1 《オパールのモックス》1 《水蓮の花びら》1 《魂標ランタン》1 《大いなる創造者、カーン》1 
【後手】
In:《削剥》2 《焦熱の合流点》1 《破滅》1 《反逆の先導者、チャンドラ》1 《罠の橋》1
Out:《絵描きの召使い》2 《オパールのモックス》1 《水蓮の花びら》1 《魂標ランタン》1 《大いなる創造者、カーン》1 

 

[トリココントロール]   有利 6:4

有利なマッチアップです。
 《ウルザの物語》や《鏡割りの寓話》、ゴブリン、PWと対処すべきカードが多いうえ、相手の打ち消しやPWには《紅蓮破》が当たりますので、攻め手を叩きつけ続け、勝ちに向かいます。
  《僧院の導師》には気をつけなければなりませんが、《稲妻》の打つ先にもなるので出てきた際には真っ先に除去しましょう。  《一日のやり直し》コンボが決まっても盤面が取れていればそのまま攻め切れることが多いです。

 

【先手・後手】
In:《破滅》1 《反逆の先導者、チャンドラ》1 《三なる宝球》1
Out:《絵描きの召使い》1 《オパールのモックス》1 《罠の橋》1

[8cast]    有利 7:3

有利なマッチアップです。
相手のクリーチャーや打ち消しに《紅蓮破》が当たること、《ゴブリンの溶接工》が相手のカードにも触れられること、《大いなる創造者、カーン》が劇的に効くことに加え、相手がこちらのコンボへ干渉する手段が少ないからです。 負けてしまうパターンとしては《虚空の杯》からの高速クロックですがそれも《罠の橋》で止まります。この際は《天上都市、大田原》をしっかりケアしましょう。
サイド後も基本プランは変わりませんが、除去が入ってくるので負けない事が最優先である事を意識しましょう。

 

【先手・後手】
In:《削剥》2 《焦熱の合流点》2 《反逆の先導者、チャンドラ》1 《罠の橋》1
Out:《絵描きの召使い》1  《稲妻》4 《オパールのモックス》1 

 

[赤単ストンピィ]  五分 5:5

メイン微不利、サイド後有利なマッチアップです。
メインは《虚空の杯》が辛く、高速クロックで押し切られるのが負けパターンとなります。ですが、コンボを邪魔するカードが少なく、《罠の橋》を除去するカードも入っていないのでゴブリンで間に合ったりもします。
サイド後はこちらの《焦熱の合流点》の方が強いので《虚空の杯》さえ除去できれば手数で戦えます。
インサイド共に噛み合いが激しいマッチアップになるので無理にマリガンをせずに戦うことをおすすめします。

 

【先手・後手】
サイドイン:《削剥》2 《焦熱の合流点》2 《反逆の先導者、チャンドラ》1 《罠の橋》1
サイドアウト:《オパールのモックス》1 《魂標ランタン》1 《紅蓮破》1 《赤霊破》2 《ウルザの物語》1

 

[デス&タックス]   有利 6:4

有利なマッチアップです。
今まではやや不利な相手でしたが、《稲妻》が入ったことで相手のクリーチャーに触れやすくなりました。また、デッキ枚数が80枚になったことで以前ほど器用にこちらの動きに対応できなくなっています。

《不毛の大地》を引かれづらくなったので《ウルザの物語》で勝つことも増えましたが、土地嵌めが主な負け筋となるのでキープする際には気をつけましょう。
インサイド共に《大いなる創造者、カーン》が強いので《水蓮の花びら》や《古えの墳墓》で早期着地を目指しましょう。

【先手・後手】
In:《削剥》2 《焦熱の合流点》2 《反逆の先導者、チャンドラ》1 
Out:《絵描きの召使い》1 《オパールのモックス》1 《魂標ランタン》1 《赤霊破》2

 

[ショーテル]  不利 3.5:6.5

不利なマッチアップです。
《引き裂かれし永劫、エムラクール》の能力により、こちらのコンボが弱くなるのでその他の勝ち方が要求されます。
スニークショーの場合、メインは相手の構成によりますが、《罠の橋》が着地すると超えてくる手段が無い場合があるので目指しましょう。 相手の《実物提示教育》から《罠の橋》を出せる事もありますが、相手もそれをケアして《実物提示教育》を打たず、《騙し討ち》でくることが多いです。
オムニテルの場合、なるべく《紅蓮破》で《実物提示教育》を消しましょう。
両方ともメインはどうにもならないパターンが多いです。
サイド後は、ヘイトアーティファクトプランが嵌れば戦えるのでキープは厳しめにしましょう。
インサイド共に、ゴブリンでアーティファクトをサーチし、守ることを目指すのが良いでしょう。場に召喚酔いの解けた《ゴブリンの溶接工》がいる状態で《実物提示教育》から《ゴブリンの技師》を出すと相手のカードを見てからサーチし、場に出すことができます。
また、《実物提示教育》に合わせて《三なる宝球》を置くとターンが帰ってくるので、出てきた《全知》を《紅蓮破》で除去できるのも覚えておきましょう。
 

【先手・後手】
In: 《外科的摘出》2 《罠の橋》1 《三なる宝球》2
Out:《稲妻》4 《山》1


[エルフ]  不利 4:6

不利なマッチアップです。
メインは速度勝負となり、《稲妻》で遅らせることはできるがエルフの方が安定してコンボをしてくるので勝ち切ることは難しいです。
サイド後もエルフ側には《忍耐》や《大祖始》等の対策カードがありますが、《垣間見る自然》によるメインプランが一番辛いので受けることだけではなく早目の攻めを意識しましょう。 
インサイド共にゴブリンが除去されにくいのでそこを軸に戦いたいです。《アロサウルス飼い》さえ除去できれば《罠の橋》で止めやすくなりますが《ワイアウッドの共生虫》もいるのでそれさえも難しいマッチになります。

 

【先手・後手】
In:《削剥》2 《焦熱の合流点》2 《三なる宝球》2
Out:《大いなる創造者、カーン》2 《オパールのモックス》1 《赤霊破》2 《鏡割りの寓話》1

 

[土地単]  微有利 5.5:4.5

わずかですが有利なマッチアップとなります。
インサイド共に《大いなる創造者、カーン》が強いのでそこを軸に戦っていきましょう。 ゴブリンは《罰する火》で焼かれてしまい、土地嵌めも辛いですが《絵描きの召使い》を除去するカードは多くないのでコンボも狙いやすいです。
サイド後からは、《忍耐》や《活性の力》が入ってくるのでコンボにオールインはせず、じっくり戦いましょう。
ゴブリンさえ生き残ればコンボも狙いやすく、アーティファクトでも戦えるので一気に勝ちに近づくことができます。

 

【先手・後手】
In:《外科的摘出》2 《破滅》1 《反逆の先導者、チャンドラ》1
Out:《オパールのモックス》1 《稲妻》3

 

Eternal Party 2022 in Tokyo

 

※使用リスト

 

R1 マーフォーク 〇〇
R2 id (富山からの同乗者)
R3 URデルバー 〇〇
R4 URデルバー ×〇〇
R5 URデルバー 〇〇
R6 URデルバー ×〇〇
R7 アルーレン 〇〇
R8 トリココン 〇××
6-1-1 7位
QF バントコン ×〇〇
SF ANT ×〇〇
F URデルバー ××

準優勝


8castとは当たらずにトリココンには負けるもデルバーに4連勝しSEへ。
決勝までいくものの最後はやはりURデルバーという壁に防がれ、準優勝でした。
対URデルバーのメイン戦は《罠の橋》という明確なゴールがあり、有利だと思っていましたが設置後に《稲妻》を複数枚揃えられたり、《厚かましい借り手》の2枚目をケアせず捲られた試合もありました。しかし、サイド後は除去からの《反逆の先導者、チャンドラ》で圧倒した試合が多く、プラン通りに戦えたゲームが多かったです。

 一日を通してURデルバーとの戦績は4-1と有利に見えますが、そこはメタ外である強さや対戦相手のミスにも助けられているので実際は五分程度に収まっていると思ってます。

 

ファミランレガシーカップ

久々の大型大会が終わり、ゆっくりしようかと思い始めた頃に『ファミランレガシーカップ』が告知されました。
北陸では過去に類のない規模、豪華賞品の大会で、エタパの結果から賞金首に抜擢されたこともあり、前回の雪辱を晴らすため練習していくことを決めました。また、地元には他にも赤単ペインターを使用している友人がいることもあり、声をかけ一緒にレシピを共有、調整して挑むことにしました。


ファミランレガシーカップ

R1 赤単ペインター〇〇
R2 赤単ストンピィ〇×〇
R3 エスパーヨーリオンバイアル〇〇
R4 赤単ストンピィ〇〇
R5 URドラゴン××
R6 赤単ペインター〇×〇
R7 id
 5-1-1     7位
QF カナディアンスレッショルド〇×〇
SF 食物連鎖ゴブリン〇×〇
F   URドラゴン〇〇
優勝!


当たり方の偏りもありましたが、地方ならではのメタゲームを色濃く反映していると思います。 
今回一緒にレシピを調整、共有していた友人達もtop4,top16と結果を残せていたので満足していますし、友人達と一緒に取り組めたことも含め、自分の好きなデッキで勝てたのでこれ以上なく嬉しい思いでした。

カードパワーを意識して構築することで様々な角度から勝ちを狙えるようになりましたが、そんな中にも赤単ペインターらしい動きや勝ち筋も残すことができており、完成度を高める調整ができたかなと感じております。

 

終わりに

今回の大会では北陸外の方々も多数来て下さって自分も含め、みんなが良い刺激になったと思います。その刺激がモチベーションにも繋がるのでこの先もまたみんなでレベルアップしていけたら嬉しいです。
他にも自分がレガシーを始めるきっかけにもなり、始めた当初に大変お世話になった方々とも久々に会って話すことができたので、そういった意味でも思い出に残る大会になりました。 
こういった機会は最近では特に貴重になり、元々こんなに大きな規模の大会は無かったので今回開催してくれた運営のファミコンランドさん、松本さん、協賛して下さったOnogamesさんには感謝しきれません。 
是非第2回も期待しています!
ありがとうございました。

 

また、長くなってしまいましたが赤単ペインターというマイナーデッキの調整録をここまで読んでくださりありがとうございました。赤単ペインターとは、コンボでありながら相手の動きに対応して動く事ができ、その流れのまま攻めにも転じることができるコントロール要素も強いデッキです。このデッキに少しでも興味を持って下されたのであれば嬉しいです。


他のデッキにはない魅力が沢山あるこのデッキは成長性もあり、この先まだまだ進化していくと思っています。 私は少しでもこのデッキの向上を目指し、この先も挑んでいきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

もし質問や意見等があれば気軽にTwitter(@KakashiAlice)までお寄せください。
ありがとうございました。

スペシャルサンクス めいくん(@_mei0024)

 

オクノアツヤ