みなさんこんにちは!Onogamesです。
年末に差し掛かり急に寒くなってまいりました。風邪をひかないよう、体調管理には十分気を付けたいですね。
さて、先日行われました日本初のダブルGPことGP静岡スタンダードの部でOnogamesの棚橋雅康さんが見事Top8の栄光を手にしました。
Onogamesのブログを立ち上げ記事を公開させていただいてからというもの、棚橋さんはGPサイドイベントやRPTQの記事を何度も投稿して下さっております。そしてついにGPの記事を棚橋さんにお願いできるのかと、いつも通り打診いたしました所、「調整を共にしたこばゆい(小林友哉さん)も一緒に良い?」との事でしたので今回は対談記事の形を取らせていただく事となりました。
棚橋さんと小林さんは直近のPTラヴニカのギルドへ参加されています。その頃から二人で調整をしていたそうです。
対談記事は他の大手チーム等ではごくごく一般的な方法かと思われますが、やってみると意外と難しく、私も良い経験をさせて頂くことが出来ました。
これを機に、勝ってはいるけど記事を書くのは、、、、。というメンバーにもこの方法を応用させて行けたらなと思います。
長くなりましたが、棚橋さんと小林さんの対談記事をお楽しみください!
はじめに
Ono「棚さんおめでとうございます。いや、本当にめでたいですわ。こばゆいもお疲れ」
棚橋「いえいえ、ありがとうございます。運よく勝てました」
小林「お疲れ様でございます」
Ono「それでは早速はじめましょうか」
棚橋「やぶさか」
二人がBGを選択した理由と調整を共にした理由を教えてください。
棚橋「チームシールドだったGP名古屋終了後から権利を持ってたPTラヴニカのギルドの調整を始めたんだけど、確か最初はエスパーコンを使ってたのかな。BGにぼこぼこのぼこにされて自分も使った感じ。プレイスタイルにも合ってたしそのまま継続して調整した。こばゆいも同じPTの権利を持っていたので、話を聞いてみたらBGを使いたいと言っていたので一緒に調整をしたんだと思う」
小林「自分は実はデッキ選びは適当で、いつも良さそうなデッキを使用しています。トップメタにこだわりはないです。しばらく使用していた緑単系が駄目だったので、BGをいじろうとしていた時にたまたま棚さんから連絡がありました。棚さんは良く勝たれているし、渡りに船だと思い乗り込みました」
小林「もっというと、GP名古屋の時にはエスパーのリスト直ぐに送るねと言われていたのに、しばらく音沙汰がなく。BGのリストがいきなり送られてきてビックリしました」
棚橋「GP帰りの夜行バス待ちのMOでBGにボコられたんだよ笑」
Ono「Onogamesはデッキを調整する能力が高い人が多くて、結果を出しても個人での調整が多いですよね。モダンの齋藤さんとか。そうでなければキハラワークスをシェアするとか。棚さんも一人で調整するイメージが強いです。ただそうでない人ももちろんいるので、これを機会にチームで調整するのが少しずつ浸透していけばいいなと思っています。調整の方法も学べますしね」
棚橋「うん。今回は旨くはまったと思うからまたできたらいいね」
PTまでのデッキの調整記録記憶に残ってる出来事等はありますか?
小林「最初はラノエル型だったんですよ」
棚橋「入ってたっけ?」
小林「えっ?ラノエル、 真夜中の死神 型でしたよ。なんなら1/3のマナクリ(僧帽地帯のドルイド)も入ってましたよ」
棚橋「地底王国のリッチはまだいなかったよね?」
小林「破滅を囁くものも試してないない頃ですね」
棚橋「そうそう。5マナの重いところを試そうってなった所で、俺がリッチ、こばゆいがデーモンを試したんだよね」
小林「そうでしたね。僕がデーモンを試して、採用を見送りました」
Ono「なんで?」
小林「同型の負けの起点になるのからですね。強い場面も多いのですが、下振れがすごいと感じました」
棚橋「その頃は環境にBGばっかりで、6マナのブラスカまで入ってたから顕著だったよね。あ......考えてみたらそこからデーモン試してなくね?」
小林「......確かに。完全に脳死ですね」
棚橋さんのデッキテクにも乗っていた地底王国リッチがの名前が出てきましたね。定着までの流れを教えてください。
棚橋「さっきの流れで10月の下旬辺りに頃にリッチを使い始めて、感触が良かったからこばゆいに勧めた」
小林「デーモンが本当に弱かったのですんなり受け入れられましたね。使ってみたらただただ強くて、リッチをうまくいなせるカードが同じマナ域にしかなかったのでテンポを取られにくいのがすごくデッキに合ってると感じたのがその時の感想です」
Ono「話膨らませようと思ったんですけど、試した頃から強くて、そのまま定着したって事ですか?」
棚橋「まあそうちゃそうだね。あまりにも強くてみんな気づいてるだろうと思ってMOの練習中とかPTでもケアして動いていたんだけど、GP静岡終わってまだ出された事無いんだよね(笑)こばゆいもある?」
小林「僕もまだないです(笑)一応、リッチの役割が増えた事はありました。僕たち、探知の塔を探すのにエルフの再生者を採用していたのですが、流石に弱すぎてカードじゃないな、外そうとなった所で探知の塔を探すカードとしての役割を得ました」
棚橋「まあ、ヴィヴィアン・リードで探せるんだけどね」
Ono「なるほど。探知の塔といえば、2人とも結構早い段階でこのカードに気づいていたんですね。俺は今日インタビューの予習のためにBGの勉強した際に知りました」
小林「神決定戦の結果を受けて、ラノエルを使わないリストを検討し始めました。ラノエルを使用しなければ無色土地を入れられないか?となって。最初は廃墟の地を試しました。主に軍団の上陸をメタっての採用です。そのときに棚さんから探知の塔強いよって話が来て。試したらバグ強かったです。その時はまだ白単が善意の騎士を採用していて、それがBGに結構強かったんですけど。起動して喪神打ったら普通に除去れてでビビりました」
PTのデッキには最近あまり見かけなくなった《秘宝探究者、ヴラスカ》が採用されていますね。
小林「その件なんですが、秘宝探究者、ヴラスカと殺戮の暴君どっち使うか問題はみんな通っていると思うのだけれど、僕らもちゃんと通りました」
棚橋「てか、こばゆい6マナヴラスカ好きすぎだろ」
小林「あの節はすんませんでした!実は、僕が情で6マナヴラスカを押してしまったせいでデッキに1枚残った形になっています」
棚橋「同型でしか強くないんだよね。青にはカウンターされるし、早いデッキには間に合わないしね。殺戮の暴君はアベレージが高くてどのデッキにもそれなりの仕事するからね」
PTの感想や反省などの話をお願いします。
小林「なぜかMOCSの結果を2人ともしっかり見ていなくて今は一般的になった型の白単を知りませんでした。PTで初めて会いました」
棚橋「うんそう」
小林「その時、白単はいろんな形があったのでそのうちのどれかがたまたま勝ったんだろうくらいにしか思っていませんでしたね」
棚橋「それがあそこまで流行るとは......PTで勝ちまくってたしね」
小林「僕は一度も踏みませんでしたけど、1R目にリッチがアダントの尖兵を止められないと棚さんから聞いて終わったと思いました」
棚橋「その時リッチ2枚入ってたからね。毎回サイドアウトだよ。2日間で4回あたったよ」
小林「ただ、PTでもそこそこ勝っていた、今の型のイゼットドレイクには勝てるように調整していたので、そこにはしっかり勝てたのでその部分は良かったと思う。BGはイゼットに弱いという評判を覆せたと思います。格上プレイヤーのイゼットドレイクにも何回か勝てているのでデッキは狙い通りではありました」
Ono「ここでの反省点がGP静岡でのデッキにつながったと。良い記事になりそうですね」
棚橋「そうそう。PT終了後すぐに、GP静岡までの話をこばゆいとしたんだよね」
小林「1週間後にまた電話するわと聞いていたんですけど、結局2週間後まで電話来なくてどうなることかと思いました。僕はその間PTで休みすぎた影響で仕事にやられて何もできていなかったんで何も言えないですけれども」
棚橋「白単を意識した形をずっと調整していたんだけど、そうしたら他に勝てなくて3-2を連打してた。そのせいで連絡が遅れたんだよね。ごめん。まぁその間に世間も白単を意識してBGの研究が全体的に進んできたよね」
小林「そうですね。BGが復権したんですよね」
棚橋「そしたら白単が少なくなってきて、PTで使ったようなイゼットやBGに強い型で勝てるようになってきてたんだよね」
小林「BGが同型に勝つためにラノエル型が増えて来たんですけど、探知の塔のほうが強いと感じてPTと同じ形を使い続けました。同型のラノエルは間違いなく強いので探知の塔との併用も試したんですけど、最後まで形になりませんでした」
Ono(特になにもしてないってこと?)
PTとGP静岡のデッキの相違点について詳しく丁寧にお願いします。
棚橋「PTは死神がサイドだったよね?」
小林「そうですね。フェニックスがトップメタだと思っていたのでBG用の死神はサイドでしたね」
棚橋「そうそう。BG増えてきたからメインに戻したんだよ」
小林「あとはメインデッキを軽くしました」
棚橋「6マナブラスカをクビにして暴君だけになったよね」
小林「......最終的な形は棚さんから送られてきた今のリストなんですけど、その時僕は3-2連打していたので素直に受け入れました。細かい話は棚さんに聞いてください」
棚橋「ラノエル型の速度についていくために、チュパカブラや喪心を増やしてテンポで負けないようにしてあるのが1番の変更点かな?ラノエルに単体除去を当てていくととこっちのリストの方が土地が多く入っている分、探検によるアドバンテージが稼げるんだよ」
小林「序盤強いラノエルも終盤引き合いになると弱いですからね。盤面をイーブンにしたらこっちが勝つことの方が圧倒的に多いんです」
棚橋「まぁ、1ターン目ラノエル、2ターン目翡翠光のレインジャーされると普通に負けるんだけどね」
小林「この動きされてもラノエルに単体除去打つんですけどね。同型は五分というところでしょうか」
Ono「分かりやすい説明ありがとうございます。少し感動しました。このデッキのコンセプトというか、強い部分ってどういうところなんでしょうか?」
棚橋「イゼットドレイクとジェスカイパルンには有利だね。QFで負けたけど......」
小林「そのデッキと当たったときはラノエル型の10倍強いですね」
棚橋「デッキのコンセプトとしてどのデッキにも戦えるように作ったつもりだから、そこも押したいかな」
デッキテクにも取り上げられていた。テジマクとアルマサウルスの話も聞かせてください。
Ono「俺こういうの好きなんだよね。こばゆいのつぶやきもすごく良かった」
違うんすよー。いいと思ったんで一緒に試しましょってことだったんすよー
— kobayui (@bassamu) December 2, 2018
小林「テジマクがサイド後白アグロ相手に暴君と入れ替えられて、かつBGに強いカードとして紹介したのが事実です。、、、、試してはいませんけど」
棚橋「メタが一周回ってテジマクが強いとしか言ってないじゃん。その話そのときにしてくれたらいいのに」
小林「一周回って白単が増えたってことですよー棚さーん」
棚橋「いうてテジマク白単に強くないじゃん。俺入れてないし」
小林「えぇ??そうなんですか!?」
棚橋「そういうとこだよ。トカートリの儀杖兵出されると何もしないじゃん」
Ono「......アルマサウルスはどうでしたか?」
小林「棚さんのデッキ75枚に煤の儀式が2枚入っていたのですが。煤の儀式は青単にしか強くない上に青単が減っていて、かつ白単相手には勝ち筋の野茂み歩きが流れてしまうんですね。2枚入れたくなかったので代わりに盤面を受け止める能力に長けているアルマサウルスを推薦しました。試してはいませんけど」
棚橋「だろうね」
小林「脳内で調整したカードを棚さんが試してくれました」
棚橋「そこら編はデックテクにも書いてあるとおりだよね」
小林「そうですね。2人で調整することに意味があるんですよ」
棚橋「こばゆいが言っちゃあかんやつやん」
棚橋さんはQF没、小林さんは11-4と2人ともかなり勝っていますね。その中で記憶に残ったエピソードを教えてください。
棚橋「初日にターボフォグと当たって、リッチを出してドローするんだけど脅迫とヴラスカの侮辱が同時にめくれることが何回かあってリッチってカード糞だなって思ったマッチが記憶にあるかな。結局勝ったから良かったけど、リッチのせいでライブラリーアウトしかけた。普段恩恵に預かっている能力が足を引っ張ったのは新鮮ではあったね。ちょっとヒヤッとした」
小林「初日6ラウンド目のRGサルカンの封印破りと当たった話ししていいすか?」
Ono「もちろん」
小林「BGのいいところとしてローグに強いという部分があると思うんですけど。2ターン目に殺戮の暴君見せながら恐竜ランパン。3ターン目サルカンの封印破りから5ターン目殺戮の暴君で探検クリーチャー全部流されて負けるって体験をしました。ちゃんとマッチも落としています」
棚橋「絶対王者じゃないってことだね。BGも」
小林「そのマッチをたまたまチームメイトのソロくんが見ていて、「あのデッキBGを殺す顔をしていたね」って言われたのをよく覚えています」
ありがとうございました。反省点や改善点はファイナルズ優勝した時にでも記事でまた書いていただけたら幸いです。最後になにかあればお願いいたします。
棚橋「初めて複数人での調整をしましたが、自分だけでは気づけないことに気づけたり、単純に試行回数が増えたりと本当にいい感触でした。もし、環境が整っているのであれば、おすすめです。はじめの頃はお互いがデッキを投げ合うだけでしたが、それにはあまり意味がありませんでした。目的と役割を決めて調整を始めると本当にいいところばかりで、そこを意識するのが大切かなと思います」
小林「脳が単純に2つに増えますからね。うまく機能すると爆アドですよね。後は......75枚同じなのにかかわらず、ずっと棚さんより悪い成績でGPを走り続けていました。なんて言えばいいかわからないんですけど、棚さんが勝ってるのだから俺も勝たないとな。と自分を鼓舞できました。調整段階でもデッキ構築だけでなく、プレイングに対する気付きもありましたね」
長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださってありがとうございました。
棚さんとこばゆいの益々の活躍に期待します。
それでは、週末のファイナルズでお会いしましょう!
Onogames